第18章 最終章
卒業検定の翌日、会社を早退してゼファー400で門真運転免許試験場まで行ってきた。十何年ぶりだ。免停の執行猶予申請に来て以来だ。昔の印象とは全然違い、もの凄く綺麗になってやがる。一通りの申請が終わった頃、向こうから一人のオネーちゃんがやってきた。昨日の宴の中にいたオネーちゃんだ。昨日は全然話すことは無かったのだが、なんか懐かしい仲間に会ったような気がしていた。そして、いろいろな話をしているとアッと言う間に免許証交付となった。不味ったのはゼファー400で行った事だ。ヘルメットのせいで頭がグチャグチャなのだ。この免許証写真は悲しすぎる。そしてオネーちゃんとは、また何処かでと言う事で試験場で別れて帰路に付いた。大型自動二輪免許所持者として。
あとがき
普段は仕事に追われ、同じような生活を繰り返しているが、今回たった20日間だったけど本当に楽しかった。まるでガキの頃に戻ったような気さえしていた。おまけにガキの頃からの夢だった大型自動二輪免許まで取得できた。 あの時あいつに出会わなければ、そしてあいつが俺の背中を無理やり突き飛ばさ無ければ大型自動二輪免許所得なんて夢のまた夢で終わってしまっていただろう。でも、もうあいつはこの世にいない。一言だけ言わせて欲しいありがとうと。